「親知らずは何歳で生えてくるの?」「この年齢で生えてくるのは普通?」と疑問に思っていませんか。
親知らずは永久歯の中で最も遅く生える歯で、一般的には10代後半から20代前半に生えます。
ただし、30代以降に生えるケースや、一生生えてこないケースもあり、生える時期には個人差があります。
本記事では、親知らずが生える年齢の目安、抜歯に適したタイミング、年代別のリスクについて解説します。

目次
親知らずは何歳で生える?平均的な年齢の目安

親知らずが生える年齢は、一般的に「10代後半から20代前半」とされています。
ただし、生える時期には大きな個人差があり、「何歳までに必ず生える」という明確な決まりはありません。
まずは平均的な目安と、個人差の実態を整理します。
関連記事:親知らずはいつ生える?生える時期の目安と生えないケースの原因を解説
一般的には10代後半~20代前半に生える
親知らずは、最後に生えてくる永久歯です。
多くの永久歯が親知らずより先に生え揃うのに対し、親知らずは一般的に10代後半から20代前半にかけて生えてきます。
親が子どもの歯の生え変わりを見届けた後に生えることが、「親知らず」という名前の由来とされる説の一つです。
その名のとおり、他の永久歯より遅れて生える歯といえます。
親知らずは幼少期から顎の中で形成が進む
生えてくるのは10代後半以降でも、親知らずそのものは幼少期から準備が始まっています。
親知らずは顎の骨の中で徐々に形成され、幼少期から学童期にかけて歯胚や石灰化の状態をレントゲンで確認できるようになります。
そのため、成長過程で撮影したレントゲンから、親知らずの形成状況を確認できる場合があります。
歯科医院での定期検診時に確認しておくと、将来の見通しを立てやすくなります。
30代・40代で生えてくるケースもある
親知らずが生える年齢に、上限はありません。
30代・40代になってから生えてくるケースも存在します。
歯ぐきや顎の骨の中にあった親知らずが、一般的な萌出時期より遅れて口腔内に現れる場合があります。
「もうこの年齢だから生えない」と思い込んでいたところに違和感が出た場合は、親知らずの可能性を疑い、早めに歯科医院で確認することをおすすめします。
一生生えてこない人・もともと親知らずがない人もいる
親知らずは、すべての人に4本生えるわけではありません。
顎の骨に埋まったまま一生生えてこない人もいれば、先天的に親知らず自体が存在しない人もいます。
顎の大きさや歯列の状態によっては、親知らずが生えるためのスペースが不足し、顎の骨の中に埋まったままになることがあります。
生えていないからといって「ない」とは限らないため、正確な状態はレントゲンでの確認が必要です。
関連記事:親知らずが生えない人の特徴とは?原因・メリット・注意点を解説
親知らずが生えてくるときのサイン・症状

親知らずが生え始めるときには、いくつかの特徴的なサインが現れます。
初期のサインに気づくことで、早めに歯科医院へ相談するきっかけになります。
代表的症状は、以下の3つです。
- 歯ぐきの違和感・むずがゆさ
- 歯ぐきの腫れや痛み
- 一部分が見える
順番に見ていきましょう。
歯ぐきの違和感・むずがゆさ
親知らずが生え始める初期には、一番奥の歯のさらに奥の歯ぐきに、押されるような違和感やむずがゆさを覚えることがあります。
歯が歯ぐきを内側から押し上げているために起こる感覚です。
この段階では強い痛みを伴わないこともありますが、その後の症状に注意が必要です。
生え方によっては今後トラブルにつながる可能性があるため、違和感が続く場合は歯科医院を受診し、生え方や周囲の状態を確認してもらいましょう。
歯ぐきの腫れや痛み
親知らずの周囲の歯ぐきが腫れて痛む症状は「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」と呼ばれます。
生えかけの親知らずと歯ぐきの間に汚れがたまり、細菌が繁殖して炎症を起こすことが主な原因です。
悪化すると口が開きにくくなったり、顔まで腫れたりすることもあります。
疲労や体調不良などをきっかけに、症状が現れたり悪化したりすることもあります。
腫れや痛みを繰り返す場合は、抜歯を含めた対応の検討が必要です。
一部分が見える
親知らずが完全には生えず、一部だけ歯ぐきから露出した状態になることがあります。
歯の一部が骨や歯ぐきに埋まっている状態は「半埋伏」、完全に埋まっている状態は「完全埋伏」と呼ばれます。
特に一部だけ露出している親知らずは、周囲に汚れがたまりやすいため注意が必要です。
歯ブラシが届きにくく汚れがたまりやすいため、虫歯や智歯周囲炎の温床になりやすい状態といえます。
自覚症状がなくても、リスクを把握するために歯科医院での診断を受けておきましょう。
親知らずの生え方は3タイプ|抜歯が必要かどうかの分かれ目

親知らずは「生えたら必ず抜く歯」ではありません。
抜歯が必要かどうかは、生え方によって大きく変わります。
ここでは代表的な3つの生え方と、それぞれの判断の目安を解説します。
まっすぐ生えている場合は抜かなくてよいことも
親知らずが他の歯と同じようにまっすぐ生え、上下の歯としっかり噛み合っている場合は、無理に抜く必要はありません。
歯磨きが十分に行き届き、虫歯や歯周病のリスクを管理できていれば、他の奥歯と同様に機能する歯として残せます。
状態によっては、将来ほかの歯を失った際に自家歯牙移植へ活用できる可能性もあります。
ただし、磨き残しが出やすい位置であることに変わりはなく、定期的なチェックは欠かせません。
斜め・横向きに生えている場合はトラブルの原因に
斜めや横向きに生えた親知らずは、隣の歯(第二大臼歯)を圧迫したり、歯と歯の間に汚れがたまりやすくなったりと、トラブルの原因になりやすい生え方です。
手前の第二大臼歯に虫歯や歯周病などの影響を及ぼす可能性があるため、症状がなくても抜歯を検討する場合があります。
横向きの親知らずでは、歯ぐきの切開や歯の分割が必要となる場合があり、まっすぐ生えた親知らずより抜歯が複雑になることがあります。
早めの診断と治療計画が重要です。
完全に埋まっている場合も定期的な経過観察が必要
完全に骨の中に埋まっている親知らずは、すぐに問題を起こすとは限りません。
しかし、埋伏した親知らずの周囲に嚢胞(のうほう)などの病変が生じたり、後から症状が現れたりすることがあります。
「見えないから大丈夫」と放置するのではなく、レントゲンで状態を把握し、定期検診で経過を観察することが大切です。
異変の早期発見が、将来の負担軽減につながります。
親知らずは何歳までに抜くべき?抜歯を検討するタイミング

抜歯が必要と判断された親知らずは、若いうちに処置を検討することがあります。
一般に年齢が上がると、抜歯後の合併症や術後の負担が増える傾向が報告されているためです。
ここでは、抜歯のタイミングを判断する3つの視点を解説します。
10代後半~20代とされる理由
親知らずの抜歯に適した時期は、一般的に10代後半から20代とされています。
若年者では、親知らずの歯根の形成状態や骨の状態によって、抜歯を行いやすい場合があります。
また、年齢が高くなるほど術後合併症のリスクが増える傾向が報告されているため、抜歯が必要と判断された場合は早めに時期を相談することが大切です。
一般に年齢が上がると、抜歯後の合併症や術後の負担が増える傾向があります。
そのため、抜歯が必要と判断された場合は、適切な時期について歯科医師と相談しましょう。
強い炎症が起きる前のタイミング
抜歯が必要と判断された場合は、強い痛みや腫れが起きていない時期に計画的な処置を検討します。
智歯周囲炎などで強い炎症が起きている場合は、症状や炎症の程度に応じて、炎症を抑える処置を先に行うことがあります。
炎症の程度によっては、抜歯を行うまでに複数回の受診が必要になる場合があります。
検査によって将来的なトラブルのリスクが高いと判断された場合は、症状や生活状況を踏まえて抜歯の時期を検討します。
妊娠・留学・転勤など、ライフイベント前の抜歯も検討を
抜歯のタイミングは、ライフイベントとの兼ね合いでも考えておきたいポイントです。
妊娠中は、妊娠週数や症状を踏まえて使用する薬剤などに配慮が必要です。
そのため、妊娠を予定している場合は、事前に親知らずの状態を確認しておくことも選択肢の一つです。
海外留学や長期出張など、すぐに歯科を受診できない環境に移る前も同様です。
トラブルのリスクが高い親知らずがある場合は、生活環境が大きく変わる前に抜歯の必要性や時期を歯科医師と相談しておくとよいでしょう。
【年代別】親知らず抜歯のリスクとポイント

親知らずは年齢だけで抜歯の可否が決まるわけではありません。
ただし、年齢は抜歯の難易度や術後経過に影響する要因の一つです。
ここでは年代別の特徴を整理し、それぞれの年代で意識したいポイントを解説します。
10代~20代|回復が早く抜歯の負担が少なめ
10代後半から20代は、親知らずの抜歯に適した年代です。
骨が柔らかく処置がしやすいうえ、治癒力が高いため、抜歯後の腫れや痛みが比較的早く落ち着きます。
学生や若手社会人であれば、長期休暇を利用して抜歯するなどスケジュールの調整もしやすい時期。
この年代で親知らずの生え方に問題が見つかった場合は、歯科医師に抜歯の必要性や経過観察の方針を相談しておくとよいでしょう。
30代|歯や骨の状態を確認して抜歯の必要性を判断する
30代では親知らずの歯根が完成していることが多く、埋伏の深さや神経との位置関係などによっては、抜歯が複雑になる場合があります。
とはいえ、30代での抜歯が特別に危険というわけではありません。
仕事の繁忙期を避ける、抜歯後数日は重要な予定を入れないなど、スケジュール管理を工夫すれば十分に対応可能です。
痛みや腫れなどの症状がある場合や、問題を指摘されている場合は、年齢だけで判断せず早めに歯科医院へ相談しましょう。
40代以降|治癒に時間がかかりやすく、持病との兼ね合いも考慮
40代以降では、年齢だけでなく全身状態や服用薬、親知らずと周囲組織との位置関係などを確認したうえで、抜歯の適否を判断することが重要です。
また、高血圧や糖尿病などの持病がある場合は、服用中の薬や全身状態を考慮した治療計画が必要です。
まれに、歯の根と骨が癒着して抜歯の難易度が上がっているケースもあります。
だからこそ、事前の検査と診断が重要です。
必要に応じてかかりつけ医と連携し、全身状態に配慮して治療計画を立てられる歯科医院へ相談することが大切です。
抜歯の可否は年齢だけでなく全身状態も含めて判断する
「もう歳だから抜歯は無理」と考える必要はありません。
適切な検査と診断のもとであれば、親知らずの抜歯は年齢を問わず可能です。
痛みや腫れなどの症状がある場合は、50代以降でも抜歯が検討されることがあります。
重要なのは、年齢そのものではなく、歯と骨の状態、全身の健康状態を正確に把握することです。
痛みや腫れなどのトラブルがある場合は、歯科医院で状態を確認し、適切な対応について相談することが大切です。
関連記事:親知らずを抜かない選択はあり?放置リスクと残せる条件を解説
親知らずを放置するとどうなる?起こり得るリスク

問題のある親知らずをそのままにすると、周囲の歯や歯ぐきにトラブルが生じることがあります。
放置によって起こり得る代表的なトラブルは、以下の4つです。
- 虫歯・歯周病で手前の歯まで悪くなる
- 智歯周囲炎を繰り返す
- 歯並び・噛み合わせへの影響
- 加齢により歯と骨が癒着し、抜歯が難しくなることも
将来の口腔内の健康を守るためにも、リスクを正しく理解しておきましょう。
虫歯・歯周病で手前の歯まで悪くなる
斜めや横向きに生えた親知らずでは、手前にある第二大臼歯にも影響が及ぶことがあります。
親知らずとの間に汚れがたまると、親知らずだけでなく隣接する第二大臼歯にも虫歯や歯周病が生じる可能性があります。
第二大臼歯は咀嚼に重要な役割を担うため、できるだけ健康な状態を保つことが大切です。
親知らず1本の放置が、大切な歯を失う原因になり得ることを知っておく必要があります。
智歯周囲炎を繰り返す
生えかけの親知らずや汚れがたまりやすい親知らずは、智歯周囲炎を何度も繰り返す傾向があります。
抗菌薬や洗浄で一時的に症状が治まっても、原因である親知らずが残っている限り、疲労やストレスで免疫力が下がるたびに炎症が再発しかねません。
炎症を繰り返すほど周囲の組織へのダメージは蓄積していきます。
腫れや痛みを繰り返している場合は、親知らずの状態を確認し、必要に応じて抜歯を検討します。
歯並び・噛み合わせへの影響
親知らずと歯並びの変化との関連については、明確な結論が得られていません。
特に、矯正治療後の歯並びの後戻りは複数の要因によって起こるため、親知らずだけが原因とはいえません。
歯並びや噛み合わせの変化が気になる場合は、親知らずの状態だけでなく、口腔内全体を歯科医院で確認してもらいましょう。
加齢により歯と骨が癒着し、抜歯が難しくなることも
親知らずでは、まれに歯と顎の骨が癒着していることがあり、その場合は抜歯が複雑になることがあります。
年齢や埋伏の状態、歯根の形、周囲の骨との位置関係などによっては、骨を削る処置が必要になる場合があります。
処置が複雑になれば、術後の腫れや痛み、通院回数の負担も増加します。
抜歯が必要と判断された場合は、年齢や全身状態、親知らずの位置などを踏まえて適切な時期を検討することが大切です。
親知らずの抜歯の流れと歯科医院の選び方

親知らずの抜歯を検討する際は、あらかじめ一般的な治療の流れを把握しておくとよいでしょう。
ここでは一般的な抜歯の流れと、歯科医院を選ぶ際のポイント、当院での対応についてご案内します。
検査(レントゲン・CT)から抜歯までの一般的な流れ
親知らずの抜歯は、まずレントゲン撮影による診査・診断から始まります。
歯の生え方や根の形、神経や血管との位置関係を確認し、必要に応じてCT撮影で立体的に把握することもあります。
診断結果をもとに治療計画を説明し、患者さまの同意を得たうえで抜歯を行います。
抜歯後は止血の確認と注意事項の説明を行い、後日、消毒や抜糸のための通院が必要になる場合もあります。
抜歯前には、親知らずの位置や周囲組織との関係を適切に確認することが重要です。
抜歯が難しい場合は口腔外科との連携が必要になることもある
親知らずの状態によっては、一般的な歯科医院での抜歯が難しいケースもあります。
たとえば、完全に骨に埋まっている場合や、歯の根が下顎の神経に近接している場合などです。
こうした難症例では、口腔外科での対応が適していることがあります。
親知らずの状態によっては、大学病院や口腔外科などの専門医療機関への紹介が必要になる場合があります。
必要に応じて専門医療機関と連携できる体制があるかを確認しておくとよいでしょう。
ハミール東京デンタルオフィス小川町での親知らず相談について
当院・ハミール東京デンタルオフィス小川町では、親知らずに関するご相談を受け付けています。
「この年齢でも抜歯できるのか」「親知らずが生えてきたように感じるが問題はないか」といった疑問にも、レントゲンによる検査をもとに、現在の状態と選択肢を丁寧にご説明します。
抜歯の必要性だけでなく、経過観察も含めて患者さまの状態に応じた治療方針をご提案します。
親知らずが気になったら、お気軽にご相談ください。
親知らずは何歳で生える?に関するよくある質問

最後に、親知らずが生える年齢に関して患者さまからよく寄せられる質問にお答えします。
ご自身の状況と照らし合わせながら、参考にしてください。
親知らずが生えないまま50歳を過ぎました。もう生えませんか?
親知らずが生える年齢に明確な上限はないため、「絶対に生えない」とは言い切れません。
ただし、親知らずが先天的に存在しない場合や、顎の骨の中に埋まったまま萌出しない場合もあります。
ご自身に親知らずがあるかどうかは、レントゲン撮影で確認可能です。
埋伏している親知らずがある場合は、周囲の歯や組織への影響も含めて歯科医院で確認してもらいましょう。
中学生(15歳前後)で親知らずが生えるのは早すぎますか?
親知らずが生えるのは、10代後半から20代前半が一般的ですが、15歳前後で生え始めるケースもあり、それ自体が異常というわけではありません。
生える時期には個人差があります。
ただし、生えるスペースが足りずに斜めに生えてくる場合などは、早めの対応が望ましいこともあります。
生え方に不安がある場合は、年齢にかかわらず歯科医院で確認してもらいましょう。
親知らずはすべての人に4本生えますか?
いいえ、全員に4本生えるとは限りません。
上下左右で本数が異なる方、1本も生えない方、先天的に親知らず自体がない方など、状況はさまざまです。
また、口の中に見えていなくても、骨の中に埋まった親知らずが存在しているケースもあります。
正確な本数と状態は、目視ではなくレントゲン検査で確認する必要があります。
抜歯に年齢制限はありますか?高齢でも抜けますか?
親知らずの抜歯に、明確な年齢制限はありません。
高齢の方でも、全身状態や歯・顎の骨の状態などを確認したうえで、抜歯を検討できる場合があります。
ただし、年齢が高くなると術後合併症や術後の負担が増える傾向が報告されています。
持病がある場合は、かかりつけ医との連携のもとで治療計画を立てることが大切です。
抜歯が必要か気になる場合は、歯科医院で状態を確認してもらいましょう。
親知らずが生えているか自分で確認する方法はありますか?
鏡で一番奥の歯のさらに奥を見て、歯の頭が見えていれば、親知らずが生えている可能性があります。
ただし、一部しか見えていない埋伏歯や、完全に骨の中に埋まっている親知らずは、自分では確認できません。
正確に把握するには、歯科医院でのレントゲン検査が必要です。
奥歯の奥に違和感がある場合も、自己判断せずに受診することをおすすめします。
まとめ:親知らずは10代後半~20代前半に生えるのが一般的。抜くなら早めの相談を
親知らずは、10代後半から20代前半に生えてくるのが一般的です。
しかし、30代・40代で生えるケースや、一生生えてこないケースもあり、個人差が大きい歯といえます。
抜歯が必要と判断された場合は、年齢や親知らずの状態、全身状態などを踏まえて適切な時期を検討することが大切です。
一般に年齢が高くなると、抜歯後の合併症や術後の負担が増える傾向があります。
親知らずの状態が気になる場合は、歯科医院を受診し、必要に応じてレントゲン検査で位置や生え方を確認してもらいましょう。
ハミール東京デンタルオフィス小川町では、親知らずのご相談を受け付けています。お気軽にお問い合わせください。
