「最近奥歯の奥がむずむずする」「親知らずっていつ生えるものなの?」そんな疑問をお持ちではありませんか。
結論から申し上げますと、親知らずは17歳から25歳頃に生え始めるケースが多いものの、その時期には大きな個人差があります。
本記事では、親知らずが生える時期の目安から生える前の症状、生えてこない場合に考えられる原因、正しい対処法まで解説いたします。

目次
親知らずとは?基礎知識を整理します
親知らずは永久歯の中で最も遅く生えてくる奥歯であり、正式には第三大臼歯と呼ばれます。
まずは親知らずの基本的な位置づけと役割について整理します。
親知らずの正式名称と役割
親知らずは医学的には第三大臼歯と呼ばれ、智歯という別名でも知られています。
一番奥の上下と左右のそれぞれに位置する大臼歯であり、食べ物をすりつぶす役割を担う歯の一つです。
しかし、他の永久歯と比べて生えるタイミングが遅く、まっすぐ生えないケースも多いため、抜歯の対象となることが少なくありません。
親知らずは前から数えて8番目の歯
歯科では歯を前歯から奥に向かって順番に数える方法が一般的で、親知らずは中切歯を1番目として数えたときに8番目に位置します。
7番目の歯である第二大臼歯のさらに奥に生えるため、歯ブラシが届きにくく、清掃状態が悪化しやすい部位です。
この位置関係を理解しておくと、生えてきた際の違和感の原因を把握しやすくなります。
親知らずは上下左右で最大4本生える可能性がある
親知らずは上顎と下顎の左右に1本ずつ、合計で最大4本生える可能性がある歯です。
ただし、全ての人に4本すべてが生えるわけではなく、1本や2本しか生えない場合や、1本も生えない場合もあります。
本数に個人差が生じる背景には、遺伝的な要因や顎の骨の大きさなど、複数の要素が関係していると考えられています。
親知らずという名称の由来

親知らずという名前には、生える時期に関連した由来が存在します。
名称の背景を知ることで、この歯に対する理解がより深まります。
親が知らないうちに生える歯
親が子どもの歯の状態を細かく確認しなくなった時期に生えてくることから、「親が知らないうちに生える歯」という意味で名付けられたとする説が広く知られています。
生える時期が10代後半以降であることと、成長した子どもの口の中を親が見る機会が減ることが結びついた名称といえます。
親知らずが生える時期の目安

親知らずが生える時期には個人差がありますが、一般的な傾向として押さえておきたい目安があります。
ここでは典型的な生える時期について解説します。
一般的には17歳から25歳頃に生え始める
親知らずは、他の永久歯が生え揃う15歳前後よりも遅れて、17歳から25歳頃にかけて生え始めることが多いとされています。
この時期は身体の成長がほぼ完了する段階であり、顎の骨や歯茎の状態が安定してくる時期とも重なります。
ただし、この年齢はあくまで目安であり、実際の生える時期は一人ひとり異なります。
生える時期にずれが生じることもある
親知らずは4本が同時に生えるとは限らず、上顎と下顎、あるいは左右で生える時期にずれが生じることが珍しくありません。
片側だけ先に違和感を覚えたり、上の親知らずだけが先に顔を出したりするケースも見られます。
生える順番や時期に左右差があっても、それ自体が異常を意味するわけではありません。
年代別に見る親知らずが生える時期の違い

親知らずが生える時期は10代後半から20代前半が中心ですが、それ以外の年代で生えてくる方もいます。
年代ごとの傾向を把握しておくことで、ご自身の状況を客観的に確認しやすくなります。
10代後半から20代前半
親知らずが生える時期として最も多く報告されているのが、17歳から22歳頃にかけての期間です。
この年代は顎の成長がある程度進み、歯が生えるためのスペースが形成される時期にあたります。
多くの方がこの時期に違和感や痛みを経験しますが、まっすぐに生えるか、斜めに生えるかによって症状の程度は異なります。
30代・40代
親知らずの生える時期には上限がなく、30代や40代になってから初めて生えてくる人も一定数存在します。
歯胚と呼ばれる歯のもとになる組織が形成されてから、実際に歯として生えるまでの期間には個人差があります。
年齢が上がってから生える場合でも、それ自体が病気を意味するものではありません。
年代が上がるほど回復に時間がかかる
親知らずが生える時期が遅くなるほど、抜歯が必要になった際の治癒や回復に時間を要する傾向があるとされています。
若い時期は骨の柔軟性や新陳代謝が高く、抜歯後の回復が比較的スムーズに進みやすいとされる一方、年齢を重ねると骨が硬くなり、治癒に時間がかかりやすくなります。
そのため、生えてきた時期にかかわらず、気になる症状がある場合は歯科医院への受診をご検討ください。
親知らずが生える前に見られるサインをチェックしましょう

親知らずが生え始める前に、特徴的なサインがいくつか見られることがあります。
以下のチェックポイントを参考に、ご自身の状態を確認してみてください。
歯茎の腫れや違和感が現れることがある
親知らずが歯茎の下で動き始めると、以下のような症状が見られることがあります。
- 周囲の歯茎が盛り上がって見える
- 歯茎が赤みを帯びて腫れる
- 歯ブラシが触れた際に痛みを感じる
- 指や舌で触れると柔らかく腫れているように感じる
これらは親知らずが動き始めているサインとして挙げられ、症状が続く場合は早めの受診が望まれます。
奥歯の奥に圧迫感や鈍い痛み
親知らずが歯茎の中で押し上げられる過程では、周囲の骨や歯茎が圧迫され、鈍い痛みや圧迫感として自覚されることがあります。強い痛みではなく、じんわりとした違和感として現れることも多く、見過ごされやすい症状です。以下のような症状に心当たりがある場合は、セルフチェックとして参考にしてください。
- 奥歯の奥に押されるような感覚がある
- 歯茎が赤く腫れている、または盛り上がっている
- 口を大きく開けると違和感や痛みがある
- 噛み合わせに違和感を覚える
口の開けにくさや噛み合わせの違和感
親知らずが斜めや横向きに生えてくる場合、顎の関節や周囲の筋肉に負担がかかり、口を大きく開けにくくなることがあります。
また、親知らずに隣接する第二大臼歯を押す状態になると、噛み合わせにわずかなずれが生じ、食事の際に違和感を覚えることもあります。
こうした症状が長引く場合には、レントゲン検査による確認が有効です。
親知らずが生えてこない・生えない理由

親知らずは全ての人に必ず生えるわけではなく、生えてこない方も一定数存在します。
ここでは、生えない主な理由について解説いたします。
関連記事:親知らずが生えない人の特徴とは?原因・メリット・注意点を解説
先天的に親知らずが存在しないため
生まれつき親知らずのもとになる歯胚が形成されず、そもそも歯として存在しないケースがあります。
これは先天性欠如と呼ばれ、遺伝的な要因が関係していると考えられています。
この場合、レントゲン検査を行っても親知らず自体が確認できず、生えてくることは一生ありません。
顎の骨の中に埋まったままのため
親知らずは存在していても、顎のスペース不足によって歯茎や骨の中に埋まったまま外に出てこないことがあります。
これは埋伏歯と呼ばれる状態であり、レントゲンやCT検査によって初めて存在が確認されることも少なくありません。
埋伏した状態が続くと、周囲の歯や歯茎に影響を及ぼす場合があるため、定期的に歯科医院で状態を確認することが大切です。
現代人の顎が小さくなっていることも一因
食生活の変化により硬い食べ物を咀嚼する機会が減ったことで、現代人の顎は以前と比べて小さくなる傾向があるとされています。
顎が小さくなると親知らずが生えるためのスペースが不足しやすくなり、まっすぐ生えずに横向きや斜めに埋まる原因の一つになると考えられています。
これは個人差が大きい要因であり、一概に断定できるものではありません。
親知らずが生える際に起こりやすいトラブル

親知らずが生える過程では、他の永久歯にはあまり見られない特有のトラブルが生じることがあります。
以下が代表的な症状です。
- 智歯周囲炎と呼ばれる歯茎の炎症
- 隣の歯を圧迫し歯並びに影響する
- 虫歯や歯周病のリスクが高まる
どのような症状なのか、順番に見ていきましょう。
智歯周囲炎
親知らずの一部だけが歯茎から顔を出した状態が続くと、歯と歯茎の間に汚れが溜まりやすくなり、炎症を起こすことがあります。
これは智歯周囲炎と呼ばれ、腫れや痛みのほか、進行すると口が開けにくくなったり、発熱を伴ったりする場合もあります。
症状を繰り返す場合には、抜歯を検討することが一般的です。
隣の歯を圧迫する
顎のスペースが不足した状態で親知らずが生えると、隣接する第二大臼歯を押す形になり、歯列全体のバランスに影響を及ぼすことがあります。
特に横向きに生えている場合には、この圧迫が強くなりやすく、隣接する歯に影響を及ぼす場合があります。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
親知らずは口の一番奥に位置するため、歯ブラシが届きにくく、汚れが残りやすい部位です。
清掃状態が悪化すると、親知らず自体はもちろん、隣接する第二大臼歯にも虫歯や歯周病のリスクが及ぶことがあります。
日頃のケアに加えて、定期的な歯科検診による確認が重要です。
関連記事:親知らずが痛いときの対処法|今すぐできる応急処置と抜歯の判断基準
親知らずが生えてきたときの対処法
親知らずの違和感に気づいた際には、自己判断で対応するのではなく、適切な手順で状態を確認することが大切です。
以下のように対処しましょう。
- 自己判断で放置しない
- レントゲンやCT検査を受ける
- 抜歯が必要かどうか診断を受ける
自己判断で放置しない
親知らずの違和感は一時的に治まることもありますが、生え方や位置によっては炎症を繰り返す可能性があります。
市販薬で痛みを一時的に抑えるだけでは根本的な解決にはならないため、違和感が続く場合には自己判断で放置せず、歯科医院を受診することが推奨されます。
レントゲンやCT検査を受ける
歯科医院では、レントゲン撮影によって親知らずの生えている向きや位置を確認します。
埋伏している疑いがある場合や、周囲の神経との位置関係を詳細に把握する必要がある場合には、CT撮影を併用して立体的に状態を評価することもあります。
こうした検査結果をもとに、抜歯の要否が判断されます。
抜歯が必要かどうか診断を受ける
親知らずが全て抜歯の対象になるわけではありません。
まっすぐ生えており、噛み合わせや清掃状態に問題がない場合には、経過観察となることもあります。
一方で、横向きや斜めに生えている場合や、炎症を繰り返す場合には、抜歯が選択肢となる場合があります。
最終的な判断は、検査結果や口腔内の状態をふまえて歯科医師が行います。
関連記事:親知らずの抜歯は保険適用される?費用相場や保険が使えないケースも解説
親知らずに関するよくある質問

親知らずについて、患者様からお寄せいただく質問について解説します。
親知らずは必ず抜かないといけないのでしょうか
必ずしも抜歯が必要というわけではありません。
まっすぐに生えており、噛み合わせに問題がなく、清掃状態も良好に保たれている場合には、そのまま経過観察となることもあります。
抜歯の要否は、レントゲン検査などをもとに歯科医師が個別に判断します。
親知らずが生える際に発熱することはありますか
親知らずの周囲で智歯周囲炎などの炎症が強く進行した場合、発熱を伴うことがあります。
炎症が顎の周囲に広がると、腫れとともに体調不良を感じるケースも報告されています。
発熱を伴う場合には、早めに歯科医院を受診しましょう。
親知らずの抜歯はいつ受けるのが望ましいのでしょうか
一般的に若年層では回復が比較的早い傾向があるため、比較的若いうちに抜歯を検討するケースがあります。
年齢が上がるにつれて骨が硬くなり、治癒に時間がかかる傾向があるのです。
まとめ:親知らずが生える時期は人それぞれ、違和感があれば早めの受診を
親知らずは17歳から25歳頃にかけて生えることが多いものの、生える時期や本数、生え方には大きな個人差があります。
30代以降に生えるケースや、一生生えてこないケースも存在します。
歯茎の腫れや圧迫感などの違和感を覚えた際には、自己判断で放置せず、レントゲンやCT検査によって状態を正確に確認することが大切です。
親知らずの状態は一人ひとり異なるため、ご自身の判断だけで対応を決めることは容易ではありません。
当院では、レントゲンやCT検査を通じて親知らずの位置や向きを丁寧に確認したうえで、抜歯の要否や治療方針についてご説明しております。
痛みや腫れなど気になる症状がある場合には、ハミール東京デンタルオフィス小川町へ、お気軽にご相談ください。
